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回復期リハで働く理学療法士や作業療法士が覚えておくべきFIMとは?

 

診療報酬上の実績指数・・・

簡単に言うと、Functional Independence Measure(以下FIM)の点数の向上と入院日数の短縮によって

回復期リハビリ病棟の質の高さが評価されています。

 

このFIMの点数の向上をもって、対象者の能力が向上した…

と、解釈されているわけですが、実はそうとは限らない可能性があります。

 

実際の能力はあるけれど、日常生活の中では実施していない

こうした場面はよく目にします。

 

ですので、一概にFIMの向上と言えるかどうかということは考えていかなければいけません。

 

本日はこうしたお話をしていきたいと思います。

 

できるADLとしているADL|考えておくべきFIMの知識とは?

 

FIMといえば『しているADL』

 

リハビリテーション室で環境(物的・心理的など)を整え、

最大能力を発揮した場合の『能力』ではなく、

生活している場面(場所的・時間的・心理的)で実際に行っている『状況』を点数化したもの

 

です。

 

極端な例を示すと…

ピンピンと元気に過ごしている筆者が検査入院をしたとします。 

 

もちろん自分で食事は摂れますし、自分でスタスタと歩けます(FIM7点相当)。

しかし病棟の看護師さんが、全介助で食べさせてくれたり、

 

車椅子を全介助で押して移動したり

 

となれば… 

FIMは1点相当となります。

 

つまりFIMは、対象者の能力のみを示しているわけではないということになります。

 

リハビリ職が覚えておきたいFIMの本質とは何か?

FIMは①対象者本人の能力に加えて、②物的環境③人的環境にも影響されます。

 

②物的環境の例として…

ベッドから車椅子への乗り移りが自力で行えない場合でも、

手すりの位置やベッドの高さをその場で調節するだけで立ち座りがしやすくなり、

介助が必要だった対象者が自力で乗り移りができるようになる場合があります。

これだけで、しているADLであるFIMの点数が向上します。

 

③人的環境の例として…

同程度の乗り移りの能力をもつ対象者がいたとして、

乗り移りの介助が上手ではない若手の看護師・介護士が多い病棟では2人介助・ほぼ全介助で行ってしまいますが、

乗り移りの介助の能力が高いベテラン看護師・介護士ばかりの病棟であれば脇を支える程度の軽介助で行えてしまう。

実際の生活に関与している病棟スタッフの能力によってもFIMが変動してしまいます。

 

このように、FIMは介護量を評価しているもので、

対象者本人の能力以外の部分が大きい場合もあります。

運動学・解剖学・生理学を中心に最大能力を評価・把握できるセラピストが、

物的・人的環境の調整をすることも専門性を活かせる場面と考えます!!

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FIMの評価で覚えておきたい場所と場面の違いとは何か?

比較的最近新設された回復期リハビリテーション病院においては、

リハビリテーション室と病棟が一体となっている病院も少なくありません。

 

個別リハビリの際にも実際場面で行い、生活場面に般化させる目的があります。

 

では実際『場面』を考えてみたいと思います。

筆者は実際『場所』ではなく、実際『場面』が重要で、

『場面』=『場所、時間、心理』で構成されていると考えています。

『場所』は空間的なものです。

 

リハビリテーション室でできても病棟ではしていないということが多くあります。

『場所』の視点で行われていることは多いと思いますが、

『時間』と『心理』の視点を加えることで評価・介入の幅が拡がります。

 

『時間』の視点としては、

歯磨きの練習をするのであれば、

食後に実際の口腔内の食べ残しがある時間で行ったり、

『心理』の視点としては

トイレに焦りながら向かう場合の歩行バランスに対して評価・介入したりする必要もあります。

 

回復期リハビリ病棟の制度が開始されて後の2002年時の診療報酬改定時には、

病棟ADL加算というものが認められ、

病棟という実際の場所かつ実際のADLの時間での個別介入した場合に

加算を取ってもかまわないとされていました。

 

 

この実際場面への介入として、

モーニングケアやイブニングケアを行っている(行えている)病棟もありますが、

セラピストの人数や病院側の理解の問題などが絡んできます。

 

また、単に病棟スタッフのマンパワー的なお手伝いであったり、

評価に留まったりしていては

セラピストの専門性を活かした介入とは言えません。

ここに機能面とリンクしていく必要があります。

これこそ回復期リハビリテーション病棟のセラピストの醍醐味ではないでしょうか。

 

こうした日常生活動作を評価し、リハビリを進めていくために必要だというお話をしたうえで、今日は掃除機掛けや洗濯物干しについて考えるセミナーをご紹介して終わりたいと思います。

理学療法士・作業療法士向け脳卒中片麻痺の認知神経リハを用いたADL治療|掃除機がけや洗濯物干し編 – エポックセミナー

 

 

患者様が本当にできるのか、日常生活の中でしているのかをきちんと評価することも

我々理学療法士や作業療法士には必要なことですよ。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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