二百十日の風と雨と煙りは
満目 の草を埋 め尽くして、
一丁先は靡 く姿さえ、判然 と見えぬようになった。― 夏目漱石『二百十日』
こんにちは、IT 部の坂田です。
結局 8 月の間に二回もゲリラ豪雨に襲撃され (しかもバイク乗車中)、
気をつけようが無いんじゃないかと実感した今日この頃です。
9 月になれば今度は台風一家。
お父さん台風から子供台風まで色んな台風が
目白押しでやってくる季節になります。
(この説明はフィクションです。本当は台風一過ですよ?)
二百十日といえば立春を1日目として、第210日目のことを指します。
今年で言うと 8 月 31 日になります。台風の特異日とされていて、
冒頭に紹介した夏目漱石の小説にも描写があるように、
ゲリラ豪雨ばりの風と雨が襲ってきます。
(ただ、実際のところは、台風が多いのは 9 月中旬なので、
これから台風が増えてくる日、と考えるのが妥当でしょう。)
さて、台風の場合はゲリラ豪雨と違って、
いつ頃にどのあたりを通過するかという推測が立てられます。
ゲリラ豪雨に遭遇しても「運が悪かったねー」で済みますが、
台風に遭遇してたら「こんな日に外で何してんの?」と言われかねません。
前もって予測がついていれば対策も立てやすいものですが、
世の中一寸先は闇と言われるほど、何が起こるかわからない時もあります。
ゲリラ豪雨に遭遇することが偶発的で回避できないのであれば、
今度はゲリラ豪雨に遭遇した時にどうするかを考えるべきです。
この、突発的、致命的な事態に遭遇するというのは、
システム関係ではよくありがちな話です。
インターネットのウェブサイトは、
図書館のようにどこか安全な場所にページが保管されているわけではなくて、
私達が普段使っているのと大して変わりないパソコン本体の中に
ウェブページのデータが保存してあって、
それにアクセスすることでページが閲覧できます。
他人のパソコンの中のファイルにアクセスしているようなものです。
そうすると、そのパソコンが突然不調を訴えたり、
一部の部品が損傷したりするだけで、
ウェブサイトやシステムは途端にダウンします。
ファーストサーバやアマゾンなどの大手でも、
この問題に対して策を講じることは出来ても、
根本的に回避することが出来ません。
風と雨なら 8 月・ 9 月を耐え凌げばいいのですが、
システムトラブルというものは、ひねもす、年中、
監視していなければいけません。
企業生命を奪うまでに発展する危険性もあり、
ある意味で人の命を預かる仕事と同様の心構えをしなければなりません。
- 2012 年 6 月 20 日、ファーストサーバがデータ損失、その後サービス停止
- 2012 年 8 月 1 日、米ナイト・キャピタル社は株取引システムの不具合で約350億円の損失
このような恐ろしい事態にならないために、
普段から万全の対策と運用を心がけなければなりません。
IT の怖いところは別に上記二社がそれを怠ったわけではないというところです。
くわばらくわばら。